【ちょっと一服。】ビジネスと心理学
夜から朝にかけての気温の下がり方に、身体がびっくりしています。
季節の変わり目。
みなさま体調崩されませぬようにお過ごしください。
今回のちょっと一服。
本日は講演会に出席した時のお話を。
テレビでもおなじみの脳科学者、中野信子さんの講演会に行く機会をいただきました。
講演のテーマ「ビジネスに活かす脳科学」
難しそうなタイトルです。
序盤には、人間の本質というか、どういう生き物かということが
分かるような実験結果を踏まえた、なんとも世知辛いお話をされました。
お話の中で紹介された心理学の実験を一つご紹介します。
『独裁者ゲーム』
タイトルは何とも物騒な雰囲気ですね。
このゲームは「分配者」と「受領者」の二人で行う。
分配者が掛け金の配分率を決めることができ、受領者はただその決定通りの金額を受け取るだけというルール。
例えば500万円のお金があったとして、
自分がいくら貰って、残りを受領者にいくら渡すかという単純な実験です。
決定権は分配者にあるので、極端に言えば100:0でも良いということ。
500万円を全て自分が貰い、相手には渡さないのが最も合理的な選択となります。
みなさんが「分配者」になったとき、どういった選択をするでしょうか?
この実験の結果では、分配者は多くの場合、受領者に対して2割以上の配分比を決定することがわかったと言います。
それはなぜなのか?
中野先生曰く、「相手に良い人と思われたい人ほど平等になる」ということ。
かくいう私はこの実験を聞いた時、「単純に半々で250万円ずつに分けるだろうな」と思いました。
私はこの「良い人と思われたい」「嫌な人と思われたくない」という気持ちが強いと思うので、なるほどな!と納得してしまいました。
これにプラスして、「受領者」がブランドロゴの入った服を着ている場合とそうでない場合に差が出るのかという実験。
結果は、ブランドロゴ入りの服を着ている方が無しに比べて25%も多い金額が分配されたという。
それはなぜなのか?
中野先生曰く、「その後の利益を考えて掛け金の分配を多くしている」ということ。
ブランドロゴの入ったものを身に着けているということは、その人が一定の社会経済的地位を確立しているということを表している。
つまり、「この人と良好な関係性を築くことができれば、社会的パートナーとしての価値が高い」と脳が判断しているということだそう。
損得勘定がパチパチとそろばんをはじく音が聞こえてくるような…。
感情でなく脳が判断しているあたり、人間というものの本質が分かる実験ですね。
さてさて、ここまでのお話がどうビジネスに結びつくのか。
それは、身なりが取引相手に及ぼす影響が大きいということ。
人の内面は数回の面談では計り知れない部分で、尚且つ、ごまかすことができる部分。
人間は、その「ごまかすことができること」を判断材料にしないという。
だから、身なりや持ち物などで判断する。
なるほどなと思いながらも、どこか腑に落ちない部分もありつつ。
よく聞くのは、「相手の靴だったり爪だったりのお手入れ具合を見る」というのもありますよね?
ブランド品に限らず、身なりや持ち物で判断されていることは確かに多い。
それによって自分の不利になることがあるならば、確かにもったいない。
ちょっと自分を顧みてゾッとしました。
気を付けよう…。
みなさんはこの実験を聞いて、どう思われましたか?
色んな見解がありそうなテーマでした。
こういった講演会に参加させて頂けるというのもありがたいことです。
心理学。奥が深い。
少し足を踏み入れてみても面白いかもしれませんね。
ではまた来週。
メディア広報企画課